西友、レジ袋を全店舗で有料化へ
何気なくニュースをみていたら「西友がレジ袋有料化に方針転換 1枚2-3円」という記事が目に入りました。
なかなか進まないレジ袋有料化ですが、西友は全店舗で有料化に舵を切るそうです。
西友は7日、7月10日から全国368店舗でレジ袋を有料化すると発表した。対象は食品や日用品用のレジ袋で、価格はMサイズ1枚2円、Lサイズ1枚3円。
西友はこれまではレジ袋は無料で、バッグ持参者などレジ袋が不要な人には2円引きとする方式でサービスしていたが、有料化にともない、この方式でのサービスはやめる。
(産経新聞より)
こういう動きがもっと広まればいいのになぁ、と思います。こういうニュースの場合、よく報じられるのがCO2の削減。だけど、レジ袋には忘れてはいけない、もう一つの負の側面があります。
それより、CO2削減だけで話をするから、議論がおかしくなるわけでして。温暖化はウソ、CO2主犯説はウソ、だからレジ袋有料化は誰かの利権でしかない、とか。
上のグラフは、保津峡で木々に引っかかるシート類を調査した時のものです。川のごみのうち、木々に引っかかるごみの大半はレジ袋です。CO2削減などに比べて、ほとんど注目されませんが、実は漂着ごみ問題でもレジ袋は「主役」。なので、こういう取り組みは大歓迎です。
さて、すでに自治体レベルで有料化に取り組んでいるところは、そのレジ袋の売り上げを、地域の環境保全活動にあてる基金としてスーパーなどから寄付を受ける仕組みを作り上げています。
たとえば兵庫県三木市では、2010年より有料化がスタートし、お店からレジ袋代金45万円が市に寄附され、税外収入として基金化され、地域の活動の補助に充てられています。
私の住む亀岡市議会でも、これまでにも何度かレジ袋の有料化について質問がなされています。最近ではH23年9月議会で質問がありました。その時の市長さんの答弁をご紹介します。
「有料化ですけれども、21年度に市内の幾つかの量販店に協議会の設立について意向打診をしたことがございますけれども、店ごとの考え方の違いなどもございまして、そのときは残念ながら断念をしたところであります。(中略)亀岡市としましては、京都府や近隣市町村などの動向を見ながら、歩調を合わせる形で市内の事業者にレジ袋削減の協力を要請してまいりたい・・・」
もし、この西友の動きが事業者の自主的な取り組みとして広がれば(もちろんそのことは大歓迎ですが)、地方自治体にとっては主導権を取れない、つまりみすみす税外収入を逃すことにもつながりかねない、という面もあるでしょう。
何も、企業から「寄附金」という形でお金をむしり取れ、ということじゃあありません。みんながハッピーになる仕組みを、率先して地域から考えないと、結局何も残らない、ということになりかねないと思うのです。
実際、レジ袋有料化、というときに、ありがちな反対論は「零細小売店は対応できない」ということ。だけど、たとえば山形市では3Rをさらに1歩、いや2歩進めて5Rを進められています。"Reduce-Reuse-Recycle"に加えて、"Refuse"、"Repair"。この"Repair"がミソ。修理、です。大型店、量販店では売ったら売りっぱなし、というのが現状ですが、まだまだ使えるものを直しますよ、という地域のお店を積極的に市民に広報されています。
そういう地域のお店を応援する取り組みだって、タダじゃできない、お金が要ります。じゃ、厳しい財政状況の中で、それをどうするのか。そういうところに、たとえばレジ袋の有料化で生まれた「収益」を自治体に寄付してもらう、という枠組みがあったっていいわけです。もちろん、寄付してもらった事業者は税を控除するだけじゃなく、最大限に賞賛することで、社会的な名声を高める、ということも必要なことです。
こういうことは「近隣の動向をみながら」なんてノンビリしたことを言ってるんじゃなく、社会を良くするためのシステムを率先して作り、それをスタンダードにしてしまう、くらいの気概が必要だと思うのです。誰だって、自分だけは損をしたくないに決まっています。そんな中で、「オイシイ」ことにありつこう、と思ったら、これはもうフォロワーではなく、リーダーじゃなきゃいけない。
Facebookで有名な佐賀県武雄市の樋渡市長はよく、「スピードこそが最大の付加価値」とおっしゃていますが、それはある意味、先んずれば制する、ということなんだろうと思います。自分(の町が)ルールになる。
さあ、もう一つの懸案、ペットボトルのデポジット制度はこれからどう進むのでしょうね。
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