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2012年4月30日 (月)

和歌山・友ヶ島で、「無人島ごみひろい」へ行ってきました!

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今日は、和歌山県の友ヶ島で行われた「無人島ごみひろい」にゼミ生と一緒に参加してきました。いやもう、ただただ疲れた。こんなに「達成感」のないごみ拾いも初めてじゃないか、というくらいに、疲れました。その理由は・・・。

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さて、今日は朝8時20分に和歌山の加太港に集合。9時の船で友ヶ島に渡ります。ちょっと空模様が怪しいですが、なんとか持ちますように!と祈りながら。

実は、8月に京都・亀岡で開催する「海ごみサミット」の関連イベントとして、海の無い上流部に住む亀岡の子供たちに、海のごみの現状を見てもらう「こども海ごみ探偵団」という事業を企画しています。今回はその下見もかねて、清掃場所以外の海岸も見に行くことになりました。なので、私も先乗りのスタッフさんたちと一緒の船に。

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10分ほどすると、友ヶ島が近付いてきます。どうです、この眺め!絶景でしょう!

しかも、この場所は海流が激しく入り乱れ、本当に川のように潮が流れているのが良くわかる、面白い海。魚釣りが好きな方は鯛釣りでおなじみの場所ですね。

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さて、船を下りて上陸です。ぱっと見たところ、綺麗な海岸なんですが・・・。このあと広がる想像を絶する景色に、初参加の方はいつも言葉を失ってしまいます。

と、私はここでいったんみなさんと分かれて、事前にスタッフの方々からぜひ見てください、と教えていただいていた南の海岸へ下見に。

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はい、こちらがその海岸です。海の水は澄み、海底がはっきり見えます。向こうにかすかに見えるのは淡路島。そんな綺麗な風景なんですが・・・、海岸をよくよく見ると、何やら青いものや白いものが。

そんな大したことはなさそうだ、と思わないでくださいね。遠目にもゴミが散乱しているのがわかる、ということはまじかに見るとシャレにならない、というのが普通です。

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そしてこれが海岸のようす。距離が長く、開かれた海岸なので、堆積度合いはまだマシなほう。複雑な地形でもないので、何度も流され、運ばれてきて、といった感じでしょうか。この場所は、行政も財政難で手つかずだそうです。それにしてもひどいごみ。ほとんど全部が瀬戸内海、大阪湾からのもの。つまり、国内のものばかりです。

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とりあえず、ペットボトルのお花畑状態。発泡スチロールも細かく割れて、回収なんてとても無理な状況です。

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現地の状況をいろいろ確認した後は、メイン会場の、島の北西側の海岸のひとつ、北垂水海岸へ大急ぎで移動。数百mほどの、小さなプライベートビーチにでもなりそうな、波の静かな入り江です。

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しかし、海岸に降り立つとこの惨状。白く、雪のようなものは、すべて割れて粉々になった発泡スチロールです。とにかく、ものすごい量。昨年までよりも多いなあ、と思ったのは私だけではないようでしたが、やはり昨夏に近畿地方を直撃した2つの台風の影響も大きいそうです。

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そしてほとんどすべてが、京阪神を中心とした大阪湾、そして瀬戸内海のもの。外国から太平洋を通じて流れてくるものは、それほど多いわけではありません(もちろん、ゼロではないですが)

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まず、清掃開始に先立って実行委員会のメンバーで、NPO法人ごみんご・ゴミ拾いネットワークの近藤さんより、注意点などが伝えられます。

たとえばこの場所では注射器が落ちていることも珍しくなく、うかつに触らないように、などの大事な情報も。みなさん静かにお聴きになっています。こういうところも学生には見習って欲しいものです。

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そして清掃開始!

今年は、当初予定していた4月22日が雨と強風のため中止になり、1週間後の4月30日開催になりました。そのため、当初の予定よりも参加者数が大幅に減ってしまいましたが、それでも熱心な方々が50名以上も集まって下さいました。

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・・・なのですが、いくら拾っても「綺麗になったな~」という満足できる状況には程遠く。大量に漂着している破片化してしまった発泡スチロール。一生ゴミ拾いだけをして過ごすことも不可能じゃないんじゃない、と思うほどのゴミ。

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だけど、そんなに「変なもの」はないんです。普段の私たちの生活から漏れ出したものばかり。海ごみの第1歩は、みなさんの生活から出てくる生活ごみ、これをどうするか。よくお話しするのが、皆さんのご自宅の近所の側溝が、ごみの出発点なんです。

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犬のストラップも。浮き輪をしてもらって、どんな航海をしてきたんでしょうね。悲しくなる光景です。

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こちらはゴルフの打ちっぱなしのボール。ため池などに向かって打つ練習場で使われている、水に浮くタイプのボールです。「加西水上」と書かれています。調べてみると、中国道福崎IC近くのゴルフ場です。そこから友ヶ島まで流れてきたわけですね!

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こちらは今年もたくさん見つかった、注射針。古いタイプのいわゆる「注射器」然としたタイプのものは、今はペン型のものに変わりました。それでも従来タイプのものは薬物の密売などにも横流しされ、問題の解決には程遠いのが現状です。知らなかったら、指をけがすることも。

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初参加の2回生のゼミ生も頑張ってくれました。彼らも最初、現場に到着した時には文字通り言葉を失っていました。

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その他にもいろいろなものが。とりあえず、ありとあらゆるものが落ちています。そして、ほとんどが陸から川を通じて流れ出したもの。やはり内陸部での発生抑制策を早急に講じることが必要です。

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海岸から少し離れた草むらや、崖の中もご覧の通り。風で飛ばされた発泡スチロールが積もっています。漁業で使うフロートのような大きなものから、納豆やカップラーメンのトレイまで。

とにかく、いろいろ。

こんなことを続けていたらダメですよね。まさに白色公害、中国では深刻化するレジ袋による環境破壊をこう呼ぶそうです(ちなみに中国ではレジ袋は有料化されていますが)。

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ゼミ生は、卒論に使うデータの収集にも余念がありません。微細なプラスチックごみを調べるために、海岸の砂を採取。この中に含まれている1mm以下の小さな破片まで、文字通りしらみつぶしに調べます。

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参加者のみなさんに、アンケート調査も行いました。卒論のための、データ集め。まずは地道にいろいろなデータを集め、それを分析することで、いろんなことが見えてきます。

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皆さんお疲れ様でした。今回は少ない人数での実施となりましたが、それでも45L入りの袋に232袋、その他にも山のようにたくさんのゴミが集まりました。

ちなみに一番手前に置かれているのが、漂着したボールで作った恒例の、何回目かを示す数字。実は今年はボールの漂着も多すぎて、全てのボールを使うことは出来ませんでした。

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ほぼ同じ角度から撮影したBefore & After。すっきりしたようにも見えますが、大量の破片化した発泡スチロールはほとんど手付かず。諦めざるをえません。昨年までよりもはるかに多いプラスチックの破片。これが、体力だけではなく、精神的にも疲れた大きな理由だったように思います。

とにかく、この惨状をまずは多くの方々に知って頂きたい、そう強く思いました。

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最後にゴミンゴの代表である近藤さんからのご挨拶です。

ごみって、きちんと回収して処理される、といっても、たとえ焼却しても灰は出ます。ではその灰はどうしているのか、というと埋め立て処分されるわけです。だから使い捨てのものをそもそも使わない、ということが大事ではないか、とお話しされていました。

大阪湾では、近畿各地の自治体の焼却処分上から出た灰を埋め立てに使っています。それは漁師さんからしたら、まるで畑(=漁場)にゴミをぶちまけているようなもんだ、と言われたことが印象的だった、とも仰っていました。

海ごみ問題の解決に向けた取り組みは、始まったばかりです。いわば、新しい公害です。だからこそ、問題を取り返しがつかなくなるまで放っておくのではなく、今、出来ることをひとつでも始める、ということが大事ですね。

今日の経験を、ゼミ生たちには今後の研究や仕事にも活かしてほしいな、と思います。最後になりましたが、いろいろ準備にあたっていただいたスタッフのみなさん、ありがとうございました!また来年もよろしくお願いします!

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コメント

友ヶ島で集めたゴミはどこに捨てられましたか。そして、友ヶ島に上陸してからゴミを拾う海岸までは歩いてどのくらいの時間がかかったか教えていただきたいです。

投稿: 荒木理子 | 2021年7月 2日 (金) 14時30分

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