[2012/03/07追記] 保津川の魅力を再発見 ~観光資源開発モニターツアーを行いました
今回のモニター・ツアーは、昨年、学生たちが応募した「水の里の旅コンテスト」で「日帰り旅行賞」をいただいたツアー・プランの実現に向けて、京都府観光連盟のご協力をいただいて実施したものです。
ちなみにモニターとしてご参加いただいたのは、クラブツーリズム、名鉄
まず最初に、明智光秀が築いた丹波亀山城址と花明山植物園を見学です。現在は、宗教法人大本の聖地となっている亀山城址、大本教の職員さんが丁寧に解説をしてくださいました。上の写真で、職員さんが指さされているのは、慶長年間の天下普請でお城が建築されたときに、全国から集められた大名が、自分たちの仕事だ、と石に刻んだ印。
ところで、実は私、2週間前にぎっくり腰になり、まさかの入院。それ以来の「社会復帰」です。寒い中でのガイド役は、京都府観光連盟や桂川流域ネットワークのみなさんにご担当いただき、感謝感謝でした。
丹波亀山城址を見学した後は、亀岡市千歳町にある「へき亭」。江戸時代の武家屋敷をそのまま使った料理屋さんです。
水戸黄門はじめ、いろいろな時代劇のロケにも使われる立派な門です。こちらでは、地元産のお野菜をふんだんに
床の間には江戸時代のお雛様が飾られていて、なんとも雅やかな雰囲気です。
今回は、地元からは保津町自治会まちづくり推進会議、保津川遊船、亀岡市役所のみなさんにもお越しいただき、それぞれの取り組みを紹介いただいています。
面白かったのは、保津町で進められているカーボンマイナス・プロジェクト。放置竹林の竹で竹炭を作り、それを土壌改良剤として土中に埋めることで、大気中の二酸化炭素濃度を下げる農法です。
この農法で作った作物の、収穫体験などを行うことで、単なる農業体験だけでなく、旅行客のみなさんが使った交通手段で出た二酸化炭素は、農業体験で相殺するクレジットを発行する仕組み。ほかの地域ではなかなか出来ない取り組みだなぁ、と思いました。
へき亭の後は、保津町の水車小屋へ。
西日本でおそらく唯一の、現役の働く水車。あの四万十川にも、働く水車はないそうです。何気なく、亀岡の隠れた名所。
水車で精米すると、40時間。コイン精米機だと10分くらい。それだけの時間をかけるから、お米の成分が変わらず、味も落ちないんですよ。
全国でも珍しい取り組みでしょ?
水車小屋の後は、保津川下りの造船所へ。
船大工で船頭で、漁師で猟師の山内博さんに、舟づくりについてお話しいただきました。
木造船からFRP船に代わっても、形は何百年も変わらず。そして、今も一艘ずつ手作り。だから一艘ずつ、クセがあって全然違うそうです。やっぱり面白い川船です。ちなみに嵐山の屋形船もここで作られている、というのは案外知られていません。
最後は乗船場へ。
本当は乗船いただいて、保津峡に残る水運の遺構などを見学いただく予定でしたが、雪解けの増水で、川止め。残念ですが、こればかりは仕方なし。
代わりに、船頭さんの道具などをゆっくり解説していただきました。写真は棹の解説中。こんな道具の一つ一つにも、400年に渡る伝統が垣間見えます。
日本の近世の河川舟運の幕開けとなったのが、406年前の1606年(慶長11年)に角倉了以による保津川の開削でした。その後、加古川や天竜川、最上川など全国の川で舟運が盛んとなり、また北前船など海運航路もどんどん開拓され、水上交通が物流の大動脈を担うようになります。そんな日本の水運の歴史を実感できる場として、保津川は修学旅行のコースにもオススメです。
保津川の「めぐみ」や「歴史」を実感できるツアーを、力を合わせて作り上げられたら面白いなあ、と思います。関係者のみなさま、長い時間に渡ってありがとうございました!
【2012年3月6日追記】
ツアーの様子を、京都新聞(3/6朝刊)にて紹介して頂きました。ありがとうございます。
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この記事へのコメントは終了しました。
コメント
中身の濃いGoodなツアーですねぇ。
こうしてブログにまとめてもらうと亀岡って魅力ありますナァ。(o^-^o)
観光バスで移動すると上手くいくんですが、懸案は電車できたお客さんなんですよねぇ…
京阪バスの1日乗車券みたいな企画が要りますよね。
投稿: 泊 三郎 | 2012年3月 5日 (月) 21時05分
>泊さん
そうなんです、隠れた魅力のいっぱいある土地なんです。だけど、それをコーディネイトして売る力がないというか、要はバラバラ。それでは、売れませんよね。
宇治市なんて、市長自らが旗を振って、トップセールスに海外にでも出て行ってます。そういうところを見習わねば、と思います。
投稿: harada | 2012年3月 5日 (月) 21時36分