「第5回 友ヶ島 みんなで島のごみひろい。」に参加しました!
今年で5回目を迎えるこのイベント、大阪を中心に活動しているNPO法人ゴミンゴ☆ゴミ拾いネットワークや、スマイルスタイルのみなさんたちが始められて今年で5年目。私のゼミも昨年より参加し、今年は学生が実行委員会に加えていただき、一緒にスタッフとして頑張ってきました。
加太港から、ちょっとした船旅。瀬戸内海の、激しい潮の流れを実感できる、絶景クルーズですよ。20分ほどで友ヶ島に上陸。まるで沖縄かどこかのような風景、去年も思いましたが気持ちの良い場所です。
そんな美しい桟橋の風景も、海岸はご覧のとおり・・・。これでも昨年よりは少な目、なんです。
そのほとんどは、私たちの暮らしに身近なものばかり。ほら、見たことあるものばかりでしょう?
そしてそれが、波打ち際に帯状になって広がっています。
昼食ののち、開会式。今年は天候が心配されたこともあり、参加者はやや少な目。それでも89人もの人が近畿中から集まりました。とても天気がよさそうに見えますが、、、実はかなり風がきつくてやや肌寒かったのでした。
今年はただ清掃するのではなく、その前にちょっとだけ「漂着ごみ」のいろいろについて知ってもらおう、とワークショップが開催されました。わがゼミ生たちも一生懸命に解説をしていました。
ちなみに説明に使ったのは環境省が制作されたパンフレット「漂着ゴミについて考える。私たちの海を守るには?」。わかりやすく、美しくまとめられているので、ぜひご覧ください!
さあ、清掃開始!手に手にゴミ袋を持って、ごみの山に向かっていきます。それにしても、すごいごみ。なかなか減りません・・・。
発泡スチロールやシート類のような軽いごみは、海岸から随分離れたところまで風に飛ばされています。
そんな中で、今年、私が気になったゴミは、上の写真にも写っていますが「苗ポット」。昨今の家庭菜園ブームの影響でしょうか、保津川でも年々、明らかに増えつつありますが、想像以上にたくさん流れ着いていました。
あと、ストローも多かったですね。これなんかはコンビニがあちこちに増えて、紙パック飲料と一緒に売られていることと関係あるかもしれません。それから飴の個包装の袋も気になりました。
上の写真はスタッフのみなさんが事前に集めておいた、海外から漂着したごみ。中国、韓国、台湾、フィリピン、タイ、マレーシア、インドネシア、シンガポール、そしてオーストラリアからも。中国の牛乳パックは製造地に内モンゴルと書かれていました。そんなところで生産されて、ゴミとして瀬戸内海に流れ着く、そんな国際交流はごめんですね。。。
清掃のあいまに、ごみがどれくらい堆積しているのか、調べてみよう、と穴を掘ってみました。掘っても掘っても、ゴミゴミゴミ。プラスチックや発泡スチロールの細かい破片がずっと出てきます。しんどくなって、途中で断念。
よく、川や海のごみ、というと「不法投棄が原因でしょ?」と言われます。あるいは「ポイ捨てする人のマナーの問題」とも。
でも本当にそうでしょうか?上の写真は、ぱっと見て周りにあった細かいごみ。右から順に、調味料なんかのボトルの中栓(?)、洗濯バサミの破片、お刺身についてる人工菊(?)、魚の醤油さしやそのキャップ、自転車の虫ゴム、荷造り用ベルトの破片。
あんまりこんなものを不法投棄したり、ポイ捨てする人っていないですよね。プラスチック製品は一定量がどうしても環境中に流出するものだ、という前提で、いいかえればモラルやマナーだけではない、社会の仕組みとして回収やリユース、リサイクルの仕組みを作らないといけないのでは、と思います。
こちらは、危険ごみ。ライター、注射器、その他医療廃棄物。特に医療廃棄物は感染症の危険性があるので、注意が必要です。海水浴に行って、海岸でこうしたものを踏みつけたら、と考えてみてください。
ゴミ拾いを子供の環境学習に、という声もよく聞きます。もちろん、その効果は大きく、否定するわけではありませんが、特にこうした危険なゴミは子供に拾わせるのではなく、大人がちゃんと責任を持って取り組まないと、と思います。
清掃が終わって、みんなで記念撮影。
89人で集めたごみの量は、45L入りのゴミ袋に211袋、その他大型ごみ多数でした。
数字の「5」は、拾ったボール。以前にJリーグの川渕キャプテンに、漂着ゴミにサッカーボールも多いんですよ、とお話しする機会があって、「何か対策を考えないと」とおっしゃっていただいたのですが、残念ながら今のところ、何か取り組まれているということは耳にしません。。。
帰り際、参加者のみなさんに学生たちはアンケート調査を行いました。トラベルコスト法(旅行費用法)という経済学の手法によって、このイベントの「価値」を評価しよう、という取り組みです。
すべての参加者のみなさんに、快くご協力をいただくことができました。ありがとうございました。
年に一度のゴミ拾い、それだけですべてのゴミを取り除くことなど、到底不可能です。ですが、こうした機会を通じて一人でも多くの方が「漂着ごみ」という新しい環境問題に関心を持っていただけたら、と研究者の1人として思います。
来年は、ぜひ皆さんもお越しください!
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