京丹波・琴滝の冬ほたる
今年で4年目となる、琴滝の「冬ほたる」。すっかり有名になり、京都縦貫道・丹波ICの出口から2kmにもおよぶ大渋滞です。琴滝は山中にあり、道路が狭いために途中交互通行になっていることもあり、長~い渋滞。この週末からクリスマス・イブにかけてはさらなる渋滞が予想されます。
いつ動くともわからない渋滞に並ぶのも馬鹿らしいので、行列を脱出して近くの道の駅・丹波マーケスに車を停めて歩いたのですが、これが大正解!往復しても 歩いた方が早かったです。私たちと同じころに行列に並んでいた車の方は、私たちが帰る頃にやっと駐車場に入る、といった具合でした。オマケに冬の澄み切っ た夜空の星々を眺めながらのちょうど良い散歩、これから訪ねてみよう、という方は、ぜひぜひ徒歩をお勧めします。
さて、会場につくと・・・。ドラえもんがお出迎え(笑)。
息を呑むような風景が広がっています。光の海の中を歩いている気分。なんというのでしょう、海ほたるが群れる海の中ってこんな感じなのかなぁ、とか、そんな不思議な感じがします。
谷川に沿って無数のLEDが敷き詰められていて、川の流れ、そして海を表現されているとか。ところどころに、まるで本物の蛍のように点滅する緑色のLEDがあったりして、それを探すのも一興です。
ゆっくりと、イルミネーションを眺めながら歩く人々が黒いシルエットになって、なんとも不思議な雰囲気です。
そして、ゴールには琴滝にかかる13本のイルミネーション。まるで琴のような美しさから名付けられた「琴滝」、全高43mの一枚岩を流れ落ちる滝に は琴の13本の弦をイメージした巨大な光の帯は、圧巻です。1本の「弦」には1万個のLEDが使われていて、この滝だけで13万個のLEDが使われている そうです。
そして今年は新たに滝壺を鏡に見立てて、滝壺に写るイルミネーションと滝壺の上に設けられた赤い光でクリスマスツリーを表現されたとか。なるほど!と思うアイデアです。
全長200mの谷川沿いには全部で35万個のLEDが配されているそうです。そしてこれら一つ一つは、地元の有志の人たちで作る「NPO法人 丹波みらい研究会」 の人々によって作られたものなのです。私も携わっているNPO法人プロジェクト保津川と同じく、京都府の地域力再生事業の支援も受けて行われているイベントで、南丹広域振興局 の地域力再生事例集でも、私たちの「保津川筏復活プロジェクト」と一緒に紹介していただいているということもあって、親近感もわきます。
もともと、ゴルフ好きの人々の集まりだったそうで、「これからは、わしら民間からまちづくりをせなあかんのと違うか?」という一言ではじまったこの活動、滝の清掃から始まり、あの平成16年の台風23号で琴滝が大きな打撃を受けたときも、皆さんが手弁当で集まって復旧工事を行われたそうです。そして その 活動が、「冬ほたる」につながったのだそうです。
坂道の途中に設けられていたコーヒーショップ。山小屋のような小さな小屋、これもスタッフのみなさんの手作り。簡単に組立・解体できるものだそうで、この 冬ほたるのときだけ登場するそうです。お店を担当されていた方も素敵な方でした。聞けば、知り合いや家族の皆さんがボランティアで交代で来られているそう です。
ふもとにはプレハブ小屋を使った屋台兼休憩所が設けられていました。これも地域のみなさんによる運営です。地元特産の丹波大納言を使ったおぜんざいなんかもありましたよ。
募金箱には、こんなメッセージが。
“冬の寒い季節に蛍が光るわけがない。
冬の寒い琴滝に人が来るわけがない。
『わけがない』を『わけがある』に
丹波みらい研究会には
我がふるさと、京丹波を盛り上げる『わけがあります。』”
今、世界中が 不況の荒波に襲われ、寒い寒い冬となりました。「景気対策だ」という掛け声のもと、またぞろバラマキが始まろうとしています。その結果、日本の国と地方を合 わせた借金(公債残高)の合計は来年度末には800兆円を超え、国民1人当たり455万円という状態になるとか。財政状況は先進国の中でも断トツで最悪の水準です。 今こそ日本に、特に疲弊したといわれている地方に必要なのは「できるわけがない」というあきらめではなく、一人一人が「このままではいいわけがない」と知恵を出し合い、助け合うことではないでしょうか。
工事現場で使う照明を使った足もと灯。温かな光があたりを柔らかく照らしだします。
たしかに細かいことをいえば、いろいろと足らない部分もあるかもしれません。でも、LEDの冷たいはずの光が温かく思えたのは何も錯覚などではな く、ボランティア・スタッフをされていた地域の皆さん1人1人の気持ちがこもっていたからだと思いました。歩いてやってきた私たちに、「暗いか ら足元に気をつけてね」と声をかけていただいたり、渋滞でイライラしているであろうドライバーのみなさんに「長いことお待たせしてすみません」と謝ってお られたり、都会的なスマートさはないけれど、一人一人のスタッフのみなさんの温かい心遣いが感じられる、素敵なクリスマス・プレゼントをいただいたような 気がしました。
23日・24日には、オカリナやハンドベル・クワイアのコンサートもあるそうです。みなさんもぜひ、お越しください!
- 場所 京都府船井郡京丹波町市森 琴滝公園
- 開催期間 2008年12月13日(土)~12月24日(水)
- 時間 17:00~22:00
- 入場料 : 無料(但し駐車場協力金として500円)
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コメント
はじめまして^^
僕も先日見てきました。
地元の方たちの努力は見事ですね。
いろんな所でこの冬のイルミを見ましたが
どこにも負けていないイルミネーションでした。
勝手にTBもさせていただきました。
また寄らせていただきます。
投稿: takutoya | 2008年12月23日 (火) 10時14分
>takutoyaさん
コメント&TBありがとうございました。
冬ほたる、思った以上に良かったですね。そしてまた、スタッフの皆さんの「気持ち」がこもっていて良かったです。我が町もクリスマス・イルミネーションをやってはいますが、ホームセンターで売っているものを並べただけ、余計寒々としてしまっています。そんなものならやらないほうがマシなのに。。。
「ホンモノ」を生み出せるかどうか、それが大事なように思います。
投稿: harada | 2008年12月23日 (火) 22時27分
 ̄O ̄)ノオハよ~ございます。
ウーン (Θ_Θ;) 結局行けなかったですが、レポ見ておりますと、とても素敵なイベントのようですね!地元の熱意が表れている・・・そう感じました。
地元と一言で言っても主体が誰なのか・・・民間なのか行政なのかでも内容が違うでしょうし、熱意も違うでしょうね。
嵐山のイベントは人が減ったとか・・・無理な集客が逆効果なのかもしれませんね。
何でもそうでしょうが、地元の熱意が左右される結果となるのでしょう( ̄○ ̄;)!
投稿: naru@(゚ー゚) | 2008年12月25日 (木) 06時25分
>naruさん
昨日で終わってしまいましたね、また来年!でしょうか。スタッフのみなさんも今頃は疲労困憊でしょうね。
ささやかでもいいから来年も再来年も続いていって欲しいなぁと思いました。naruさんも来年は是非!
投稿: harada | 2008年12月25日 (木) 19時20分