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2008年1月23日 (水)

また一つ・・・

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また一軒、茅葺き民家が姿を消そうとしています。トタンのカバーを架ける工事中の祖母宅のお向かいの家。個人の力だけで古い民家を維持するのは、現実的に無理な話、日本の原風景ともいうべき景観を守るために、もっともっと社会的な支えがあってもいいのに、と思います。

先日の日経新聞に、諸外国と比べて極端に短い日本の住宅寿命の話が出ていました。特にイギリスの民家の平均寿命は140年以上。

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欧州を旅すると、そこかしこに残る、古い家、そして100年以上まったく変わらない風景。何をするにつけ、まず「"醜い"景観はNO!」という「常識」。古いほど価値が高まる、という話を聞くにつれ、「美しい国」を護るためになすべきことは他にあるんじゃないの?と感じずにいられません。

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別の記事では、欧州のクラブチームを視察したJリーグの一行が、スタジアムを視察した際に、過去の名選手やチームの栄光の歴史を偲ばせるさまざまな展示や、スタジアムの風景の写真をパチパチと撮っている自分たちの姿を見て、ふと、われわれ(日本)のスタジアムには写真を撮りたくなる何かがあるだろうか?と感じた、と書かれていました。

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何気ない風景でも写真を撮る、ということは、つまり風景や建物に人を惹き付ける「魅力」がある、ということ。最新の、清潔で便利なだけではない、一朝一夕では作られない歴史だけが持つ「重み」ではないでしょうか。

京都でも、町並みを保全するための条例が出来ましたが、景観は、どこか一点だけで出来るものではない、街全体で取り組むべきものです。多くの外国人観光客が、京都駅に降り立った瞬間に、あまりにイメージしていた「京都」と目の前の風景が異なることに衝撃を受けるといいます。

茅葺民家にしても、重点保存築である美山町北地区を別にすれば、他の地域ではどんどん減っていますし、京都市内の町家だって同じ状況です。ましてや、「観光地」でない地域の古民家など、「建て替え」前提の法規制の前に、なすすべなく取り壊されているのが現実。

施設を作るだけではない、本当の観光立国を目指すためにも、そして何より、自分たちの文化を後世に伝えていくためにも、もっと真剣に考えていかねばならないのでは、と、京都市長選挙が始まった、というニュースを前に思うのでした。

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コメント

既に日本的な家というのは絶滅寸前、そもそも私でさえ生まれたときから無機質な公営住宅育ちですから。父母の実家は日本的な家だったというのがまだ救い(?)でしょうか。
私の実家もたった20年ほどで改築してしまいました。周辺の住宅、皆同じ時期に建った家ですが、見回してみると手の入っていない家はほとんどないくらいに変わってます。あまり家の作りも良くなかったみたいです(^^;
自分の今の家も特に日本的でもなくどっちかというと洋風ですが、見た目、地域の集落としての纏まりは全くないです。まぁ日本のスタンダードといえばそれまでですが。
私も京都「府民」だけど京都「市民」ではないので、所謂京都の景観の話になると何時も蚊帳の外。

投稿: ごしゅりん | 2008年1月25日 (金) 09時33分

ほんと、京都市以外の京都府の景観は危機的状況ですよね。長く住める、良質な住宅の供給を、そろそろ真剣に考えないといけない時期ではないかと思いますね。住宅ローンを返済するために働き続ける、本末転倒な世の中のひとつの表れじゃないかな、と思います。

投稿: harada | 2008年1月25日 (金) 22時45分

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