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2006年4月12日 (水)

雨の嵐山

20060412_hozukyo 今日は梅田で所用のため,いつもと違うコースで大阪へ.

  いつもは,京都駅からJRの新快速で大阪に向かいますが,時間に余裕があったので,嵯峨嵐山で降りて,嵐山の桜を見ながら,嵐山から阪急電車で梅田まで行こう!と思い立ちました.上の写真はその途中,JR山陰本線(嵯峨野線)の馬堀~保津峡間の車窓です.昨日来の雨も,少し小降りになり,霧に煙る峡谷と桜,まるで絵画のようです.

20060412_sagaarashiyama

JR嵯峨嵐山駅前に植えられている紅枝垂桜も満開.明治30(1897)年に開業した当時のまま残る,屋根の避雷針が印象的な洋風建築の駅舎と枝垂桜,なかなか絵になる風景です.

ちなみにこの山陰本線,東北新幹線八戸延伸の際に東北本線の一部が第3セクターに分割されたため,現在では国内最長の路線(676km)となっています.

20060412_d51_1 かつては,京都~門司といった列車も走っていましたが現在では全線を通して運転される列車がないという,変わった「本線」になってしまいした.

駅前のトロッコ列車の駅前広場に保存されている蒸気機関車(つい最近まで京阪のくずはモールに居たD51ですね)に,散った桜の花びらがついていました.

さて,嵯峨嵐山駅を出て,駅前の桜並木をくぐり,嵐電の踏み切りの手前の細い道を右に曲がってしばらく歩くと,天龍寺があります.

20060412_tenryuji70年以上も続いた南北朝の争いの中,後醍醐天皇の霊を弔うために,足利尊氏が夢窓国師を開山の祖として建立されたお寺です.

有名な方丈庭園はじめ,ゆったりとした境内は,私たちがそんなことを想いながら眺めるからかどうか,心安らぐゆったりとした空間ですよ.疲れたときにはぜひ一度,訪れてみてください.

20060412_togetsukyo001_1 さてさて,天龍寺からしばらく歩くと,渡月橋.かつてはこの渡月橋も天龍寺の境内だったとか.

以前にも秋の紅葉の写真を載せましたが,亀山天皇が「くまなき月の渡るに似る」と評した優雅な橋の姿は,いわば名所中の名所ですが,何度見ても,やはり綺麗なものです.

20060412_togetsukyo003川の向こうには法輪寺の塔が,霧にかすんで望め,山には桜と若葉.晴れた日も綺麗ですが,こういう雨の日も,また美しいものですね.

この川は,ここから下は桂川,上は保津川と名前を変えます.いつもはボート遊びの人が大勢繰り出していますが,さすがに今日は雨のため,誰もいません (^^ゞ.

20060412_togetsukyo002先ほどの電車の車窓ではありませんが,山水画のような美しい眺めにはただただ見とれるばかりです.

が,私はそんな景色を眺めていると,映画「パッチギ」の中で,オダギリ・ジョーが,キング牧師の有名なスピーチ,"I have a dream!"とボートの上で叫んでいたシーンを,ふと思い出しました(笑)

ところで現在は桜の名所として知られる嵐山ですが,かつては桜は少数派だったんですよ.明治時代ごろまでは,実は嵐山は松の方が優勢でした.しかしだんだんと薪炭林として利用されなくなり,特に戦後はその傾向が強まった結果,現在のように桜の名所となりました.

20060412_nakanoshima001渡月橋を渡った先の中ノ島公園にはたくさん屋台も並んでいます.ちょっとお腹が空いたので,フランクフルトを買いました (^^)

お店のお姉さんに聞いてみると「今日はさっぱり!」と嘆いてはりました.一番の見ごろなのに,雨で川も増水,保津川下りも運休.人出はそれなりでもみんな傘と荷物で両手はふさがり,ベンチや地面はびしょ濡れ.

せっかくの稼ぎ時に雨に降られると,確かにお店の人たちには困ったものですね.

20060412_nakanoshima002 さて,中ノ島公園を抜けると阪急嵐山駅はもうすぐです.

歩きながらふと足元をみると面白い模様が地面に出来ているのを見つけました.昨日の雨で散ってしまった桜の花が流された後が,なんとも不思議な幾何学模様を描き出しています.

この辺りは,本当にたくさんの桜が植えられているのですが,雨上がりだからでしょうか,ほのかに桜の花の香りがしてきて,良い心地でした.

20060412_nakanoshima003_2 桜の花びらに,雨のしずくが滴る様もなかなか綺麗なものですね.古い木の幹には苔が生えていて,それがまた雨に濡れて,なんとも美しい緑のじゅうたんのよう.薄紅色の桜の花や,鮮やかな緑色の若葉とのコントラストが目を楽しませてくれます.

20060412_arashiyamasta001 阪急嵐山駅の構内にもたくさんの桜が植えられています.灯篭風の電灯と桜の組み合わせもなかなか風流なものですね.

この嵐山駅,阪急電鉄の全身である新京阪鉄道が,鉄道敷設免許を京都電灯(現在の関西電力)から買取り,京都側のターミナル駅とすべく開業させた駅でもあります.

20060412_arashiyamasta002そのため支線の割には大きな構造になっていますが,結果的に思ったほどの需要はなく,現在では使われていないホームもあります.

しかし,嵐山はご存知の通り,屈指の観光地でもあるために,春や秋の観光シーズンには大勢の乗降客でにぎわうため,普段には大きすぎる駅も,逆にそれが幸いしています.何が幸いするか,分かりませんね.

20060412_arashiyamasta003しばらくすると,桂行きの電車が入ってきました.車内に入ってシートに腰を下ろすと...額縁のような窓の外には満開の桜.

発車前のひと時を,ゆっくりお花見をしながらすごせます.贅沢な待ち時間ですね.

ところで,この嵐山線,開業当初は全線複線でした.ところが,観光シーズンを別にすれば思ったほど輸送力も伸びず,沿線の開発もあまり進みませんでした.

20060412_arashiyamaline 運転席の後ろから眺めているとよくわかりますが,架線柱も複線用のものが立ち,確かに土地も複線分あります.

実は,太平洋戦争中,戦局の悪化により,1線分の線路は金属供出令により供出され,単線化されてしまいました.そしてそのまま現在に至っているのです.洛北の叡山電鉄も一部区間が同じような経緯で単線化されてしまっていましたが,その後の輸送量の増加により,最近,再び複線に戻されています.

そこまでしてやらなきゃいけない戦争って,いったい何だったのでしょうね.そんなことをふと思いながら,窓の外に目をやっていました.

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コメント

阪急嵐山駅の桜の大半は、使われていない側のレールがあった部分に植えられており
何か曰くがあるんだろうなとずっと思っていましたが氷解。
なるほどーっ♪

でもあのスペースは決して無駄じゃありませんよね。
駅舎の満開の桜の美しさは、到着した人を唸らせないはずはありません。(^-^)

投稿: クルマ屋 | 2006年4月13日 (木) 22時44分

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1976年2月16日生まれ。本名は小田切 譲(おだぎり じょう)鈍牛倶楽部所属の俳優。岡山県津山市出身。血液型はO型。身長176cm。独特の雰囲気で若者からも多くの支持を集めている。最近では映画等でも頻繁に活躍している。... [続きを読む]

受信: 2006年4月17日 (月) 15時30分

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