洋館と珈琲と雁の寺と
「京都の朝は,イノダから」なんてコマーシャルがあったように,京都には新旧さまざまな喫茶店があります.スターバックスは,当然「新」の方になるわけですが,他県のスターバックスと比べて,なんとなく落ち着いた感じがします.店内も席数もそれほど多くはなく,ゆったりと作られているように思いますが,お客さんも静かに本を読んだり,勉強をしたり,と,あまり話し声がしないように思うのです(もちろん,店舗にもよりますが).
この三条烏丸のスターバックスも,そんなお店の一つです.三条通に面した大きなガラス張りの客席からは,みずほ銀行を眺めることができます.この建物はかつての第一銀行京都支店の外壁を保存したものです.つい最近までは,オリジナルの建物が建っていて,その広々とした店内などは,独特の雰囲気があったのですが,残念ながら外壁だけを残してリニューアルされてしまいました.(その外壁も,どう見てもレンガなど,もともとのものとは違い,安っぽくなってしまっているように見えるのですが...)
さて,この三条通は,三条大橋が東海道の終点であったことからもわかるように,江戸時代から明治の始めにかけて交通の要所でもありました.往時の賑わいを伝えるかのように,郵便局や電信局,新聞社や銀行などの近代建築物が今もたくさん残っています.右の写真は,その電信局の建物をリニューアルした新風館.京都市は1980年に三条通の寺町通りから室町通りまでを『歴史的界隈景観地区』に指定し,近代建築の保全にもつとめています.
三条通の煉瓦建築についてはこちら:http://www.don.am/~shigeru/renga1.htm
この礼拝堂はプロテスタントの教会建築としては現存する国内最古のものですが,他にも,重要文化財がキャンパスにはたくさんあり,戦後に建築された校舎もすべて煉瓦の外壁で統一されています.
先日の関学のキャンパスでもそうですが,こういう歴史的建築が「飾り」ではなく,今も大切に現役で使われている,ということにこそ,大きな意味があるように思います.
同志社のすぐ北には相国寺の境内が広がっています.その塔頭のひとつ,瑞春院は水琴窟と雁の襖絵で有名です.
直木賞作家の水上勉は,幼少時この瑞春院で修行をしていました.昭和36年に出版された小説『雁の寺』の,その雁とは,この瑞春院の襖絵のことです.それ以来,ここは「雁の寺」と呼ばれるようになりました.
研究会終了後,相国寺の西門を通って,Papa Jon'sへ.
学生時代から,ちょっと贅沢にお茶,というときの定番でしたね.同級生がアルバイトをしていたり,先生に奢ってもらったり.
しかし知らない間にえらくお店が増えたもんです.現在4店舗!(驚)
NYスタイルのチーズケーキが美味しいのですが,さて今日は何にしようかとショーケースを眺めると,なんとも美味しそうな「カシス&ワインムース チーズケーキタルト」なるものが!しかし,その下にある「ピスタチオチーズケーキ」も捨て難い!
ということで,店員さんと相談(笑)「カシス」のほうは明日までなんですよ,なんて言われると,そっちを選ばざるをえません (^^ゞ
美味しいコーヒーとケーキを頂きながら,しばし研究談義に花が咲きました.
それにしても今日は寒かったですね.市内でも昼間ですら雪が舞っていましたが,夜になって雪は結構本格的に降り出しました.
暑くなったり寒くなったり,体調管理には気をつけたいものです.
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